ゼロトラストとは?情シスが「ID管理」から始めるべき理由と導入3ステップ

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近年、セキュリティ対策の新たなアプローチとして「ゼロトラスト」という言葉を耳にする機会が増えました。しかし、「すべてを信頼しない」というその壮大な原則を前に、どこから手をつければ良いのか、全面的な移行は現実的に可能なのかと、情報システム担当者の皆様は悩まれているのではないでしょうか。

 

「専任のセキュリティチームがいない」「予算もリソースも限られている」 そんな中小・成長企業の情シス担当者様に向けて、本記事ではゼロトラスト実現への最も現実的で効果的な第一歩として「ID管理」に焦点を当てて解説します。ID管理を軸に、EDR(エンドポイントセキュリティ)との連携による自動化など、限られた人数でも高度なセキュリティを実現する具体的な道筋をご紹介します。

 

 

1. ゼロトラストとは?意味と境界型防御との違い

ゼロトラスト(Zero Trust)とは、米国の調査会社Forrester Research社が提唱し、NIST(米国国立標準技術研究所)が定義した、「決して信頼せず、常に確認せよ(Never Trust, Always Verify)」という原則に基づく新しいセキュリティモデルのことです。

 

これまでのセキュリティ対策は、社内ネットワークの内側は安全な領域とみなし、外部からの攻撃を防ぐ「境界型防御」が主流でした。しかし、以下の環境変化により、従来の境界線ではセキュリティを確保することが難しくなっています。

 

  • ・クラウドサービス(SaaS)の普及: 重要データが社外(クラウド)に保管されるようになった
  • ・テレワークの常態化: 社外ネットワークから社内システムへアクセスする機会が増えた
  • ・サイバー攻撃の高度化: VPNの脆弱性を突く攻撃や、内部不正のリスクが増大した

 

この状況において、ゼロトラストは、ネットワークの内部か外部かに関わらず、すべてのアクセス要求を信用せずに、その都度厳密な検証を行うことを求めます。

 

2. なぜ「ID管理」がゼロトラスト導入の第一歩なのか

ゼロトラストを実現するための技術要素は多岐にわたりますが、最も現実的かつ効果的な第一歩は「ID管理」の強化です。

 

 ゼロトラストの根幹は「認証」にある

ゼロトラストの本質は、「アクセスしてきた通信が、本当に許可されたユーザーやデバイスによるものか」を検証することです。つまり、「誰が(ID)」アクセスしているかを正確に特定・管理できていなければ、その後のアクセス制御やログ監視も機能しません。ID管理はゼロトラストの「一丁目一番地」と言えます。

 

情シス担当者の運用負荷を軽減できる

特に数百名規模の成長企業では、SaaSの利用数増加に伴い、ID/パスワード管理が煩雑化しています。ID管理基盤を導入することで、入退社に伴うアカウント管理業務を自動化でき、セキュリティ強化と同時に業務効率化(工数削減)を実現できます。これは経営層に対して導入効果(ROI)を説明しやすいポイントです。

 

3. ID管理から始めるゼロトラスト導入の3ステップ

ここからは、実際にID管理を起点としてゼロトラスト体制を構築するための具体的な手順を解説します。

 

ステップ1:IDの一元管理と自動化(IDaaSの導入)

まずは、社内外に散在するID情報を一元的に管理する基盤(IDaaSなど)を導入します。 人事システムやActive Directory(AD)、Microsoft Entra IDのID情報をもとに、入社・異動・退職に伴うアカウントの作成・変更・削除を自動化(プロビジョニング)します。これにより、「退職者のIDが残ったまま」という重大なセキュリティリスクを排除できます。

 

ステップ2:認証強度の向上(SSOと多要素認証)

次に、認証プロセス自体を強化します。

 

  • ・シングルサインオン(SSO): 1つのIDで複数のクラウドサービスへログイン可能にし、パスワードの使い回しを防ぐ。
    ・多要素認証(MFA): パスワードに加え、スマートフォンアプリや生体認証などを組み合わせ、本人確認を確実にする。

 

※関連記事:

シングルサインオン(SSO)とは?初心者にもわかりやすく解説

多要素認証はなぜ必要?パスワード認証のリスクと対策

 

ステップ3:EDR連携による「自動防御」の仕組み化

ここがゼロトラスト運用の鍵となります。 ID管理による「入り口の防御」に加え、侵入後の対策としてEDR(Endpoint Detection and Response)との連携を実装します。

 

一般的なID管理製品では「認証」までしか制御できませんが、SeciossLinkなどの高度なID管理製品はEDRと連携できます。

 

例えば、EDRがPC上のマルウェア感染や不審な挙動を検知した際、連携しているID管理システムが即座にそのユーザーのアカウントをロックし、SaaSへのアクセスを防ぐといった自動対処が可能になります。 これにより、夜間や休日など管理者が不在の時でも、被害の拡大を最小限に抑えることが期待できます。

 

4. 失敗しないゼロトラスト向けID管理製品の選び方

多くの中小・成長企業にとって、最適なID管理製品を選ぶポイントは以下の3点です。

 

① コストパフォーマンスと機能の網羅性

認証機能だけでなく、デバイス証明書による端末制限や、アクセスログの管理機能など、ゼロトラストに必要な機能がオールインワンで提供されているかを確認しましょう。ユーザー数課金で、将来的なスケールアップにも対応できる料金体系が望ましいです。

 

② EDR製品とのAPI連携機能

前述の通り、EDR連携は少人数体制での運用に不可欠です。導入予定(または導入済み)のEDR製品とAPI連携ができ、検知時のアカウント自動停止などのアクションが設定できるかを確認してください。

 

③ 国内サポート体制と日本語対応

海外製品は高機能ですが、管理画面やサポートが英語のみの場合、トラブル時の対応が遅れるリスクがあります。日本の商習慣に合った機能(組織階層への対応など)や、日本語での手厚いサポートがある国産サービスを選ぶことで、安心して運用を続けられます。

 

まとめ:SeciossLinkで実現する、無理のないゼロトラスト

ゼロトラストは壮大な理想論ではなく、適切なツールを選べば、コストとリソースを抑えながら着実に実現可能です。SeciossLink(セシオスリンク)は、ID管理・認証・統合ID管理をワンストップで提供する国産のクラウドセキュリティサービスです。

 

  • ・SaaSもオンプレも一元管理: SaaSとの連携実績に加え、AD連携にも対応。
  • ・EDR連携による自動防御: SentinelOneやDeep Instinctなどの主要なEDR製品と連携し、検知からアカウント停止までを自動化。
  • ・安心のコストとサポート: ユーザー数課金のシンプルな料金体系と、評価の高い日本語サポート。

 

「ID管理からゼロトラストを始めたい」「EDRとも連携して運用負荷を下げたい」とお考えの方は、ぜひSeciossLinkをご検討ください。

 

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よくある質問(FAQ)

Q. ゼロトラストは中小企業には早すぎますか?

A. いいえ、むしろ専任担当者が少ない中小企業こそ、ID管理と自動化を含めたゼロトラストのアプローチが必要です。境界型防御だけでは防ぎきれないランサムウェア被害などが中小企業でも増えています。

 

Q. VPNとゼロトラストの違いは何ですか?

A. VPNはVPNで認証すると社内環境にアクセスできる「一度接続すれば信頼する」仕組みですが、ゼロトラスト(ZTNA等)は「アクセスごとに検証する」仕組みです。VPN機器の脆弱性を狙った攻撃が増えているため、ゼロトラストへの移行が進んでいます。

 

Q. SeciossLinkは既存のActive Directoryと連携できますか?

A. はい、可能です。既存のAD環境を活かしつつ、クラウドサービス(SaaS)へのシングルサインオンや多要素認証を追加することができます。