UEMとは?MDMとの違いや基本機能をわかりやすく解説
schedule 2026/04/30 refresh 2026/04/30
近年、情報システム部門のマネージャー層から「テレワーク環境下のデバイス管理が煩雑化し、セキュリティリスクが増大している」という課題をよく耳にします。PCだけでなくスマートフォンやタブレットなど、業務利用されるデバイスの種類が多様化し、社外で使われる機会が格段に増えたことで、従来の管理手法では対応しきれない状況が生まれています。
こうした課題の解決策として今注目されているのがUEM(統合エンドポイント管理)です。従来のMDM(モバイルデバイス管理)がモバイル端末のみを対象としていたのに対し、UEMはWindowsやmacOSのPCまで含めた広範なデバイス群を一つのプラットフォームでカバーします。
この記事では、UEMの基本概念から、混同されやすいMDMやEMMといった類似ツールとの違い、主要な機能、そして導入メリットから製品選びのポイントまで網羅的に解説します。
UEM(統合エンドポイント管理)とは?
UEM(Unified Endpoint Management)とは、企業内で利用されるすべてのデバイスを、OSの種類やデバイスの形態を問わず、一つの管理画面からまとめて設定・監視・保護する仕組みのことです。
ツールを使い分ける煩わしさから解放され、運用負荷を大幅に削減できる点がUEMの最大の価値です。
UEMが必要とされる3つの背景
UEMが今日の企業にとって不可欠となっている背景には、以下の3つのトレンドがあります。
働き方の多様化
テレワークやハイブリッドワークの普及により、社内ネットワークに接続されていないデバイスを場所や状態に依存せず柔軟に管理する必要性が生じました。
デバイスの多様化
PCに加え、スマートフォンやタブレット、さらにはBYOD(個人所有デバイスの業務利用)が増加し、個別管理では対応しきれない状況になっています。
サイバー攻撃の巧妙化
従来の「境界型防御」が通用しなくなり、すべてのアクセス元やデバイスを信頼しない「ゼロトラスト」の考え方に基づき、デバイス自体のセキュリティを統合管理する必要性が高まりました。
UEMで管理できる「エンドポイント」とは
エンドポイントとは、ネットワークに接続されデータのやり取りを行う「端末の終点」にあるデバイス全般を指します。
UEMは、以下のような多種多様なエンドポイントを、OSやメーカーの垣根を越えて一元管理します。
・PC(Windows、macOS)
・スマートフォン、タブレット(iOS、Android) など
【比較表】UEMとMDM・EMM・IT資産管理ツールの違い
UEMと、その他の関連用語(MDM、EMM、MAM、MCM、IT資産管理ツール)の違いを比較表で整理しました。自社に必要なツールの守備範囲を把握するための参考にしてください。
| 用語 | 名称(意味) | 主な管理対象・機能 | UEMとの違い・関係性 |
| MDM | モバイルデバイス管理 | スマホやタブレット本体(リモートロックや機能制限) | UEMは、MDMの機能に「PC管理」を加えた上位概念(MDM ⊂ UEM)。 |
| EMM | エンタープライズモビリティ管理 | MDM + アプリ(MAM)・データ(MCM)の管理 | UEMは、EMMのモバイル管理範囲に「PC」を加えた進化形。 |
| MAM | モバイルアプリケーション管理 | 業務アプリの配布、データ連携制限など | 単独のツールではなく、UEMやEMMを構成する「機能の一部」。 |
| MCM | モバイルコンテンツ管理 | 業務データやファイルへのアクセス制御 | 単独のツールではなく、UEMやEMMを構成する「機能の一部」。 |
| IT資産管理 | - | PCやソフトの台帳管理、ライセンスコンプライアンス維持 | 資産管理ツールは「モノの把握」が主目的。UEMは「セキュリティ運用と制御」が主目的。 |
UEMが提供する主な機能
UEMは、日々の運用で直面する課題を解決するために多岐にわたる機能を提供します。
1.デバイス構成とインベントリ管理
ハードウェアやインストール済みソフトウェアの情報を自動収集し一覧化。OSアップデートの強制適用や、不要な機能(カメラやUSB等)の利用制限を行います。
2.セキュリティポリシーの適用と監視
全デバイスに対し、パスワードルールの強制やディスク暗号化などを徹底します。違反時には自動アラートやアクセス制限を実行し、ガバナンスを強化します。
3.アプリケーション管理
業務に必要なアプリのサイレントインストールや自動アップデートを実施。不要なアプリを禁止し、シャドーITのリスクを軽減します。
4.リモートでの脅威対応(ロック/ワイプ)
紛失や盗難発生時に、遠隔操作で画面をロック(リモートロック)したり、データを完全消去(リモートワイプ)して情報漏洩を防ぎます。
5.パッチ管理機能
OSやソフトウェアの脆弱性に対応するセキュリティパッチの適用状況を一元管理し、未適用デバイスへの強制適用を自動化します。
UEMを導入する3つのメリット
1.管理工数の大幅な削減と運用の一元化
異なるOSのデバイスを一つのコンソールで管理できるため、ツール切り替えの手間が省け、トラブル対応の時間が劇的に短縮されます。
2.セキュリティレベルの統一と強化
社内外の全デバイスに一貫したポリシーを強制適用することで、セキュリティの穴(適用漏れ)をなくし、情報漏洩リスクを根本から低減します。
3.監査対応の迅速化と説明責任の遂行
全デバイスの利用状況やパッチ適用状況をレポート出力できるため、内部監査やコンプライアンス要求に対する証跡提出がスムーズになります。
UEMの真価を引き出す「SeciossLink(IDaaS)」との連携メリット
UEMはデバイスを保護・管理する上で非常に強力ですが、当社の統合ID管理・認証基盤である「SeciossLink(セシオスリンク)」と連携させることで、より強固な「ゼロトラストセキュリティ」と「利便性の向上」を同時に実現できます。
デバイス証明書による強固なアクセス制御(私用端末の排除)
UEM経由で会社が許可・管理しているデバイスにのみ「クライアント証明書」を自動配布します。SeciossLinkは、この証明書を持つ安全な端末からのみMicrosoft 365やGoogle WorkspaceなどのSaaSへのアクセスを許可するため、未許可の私用端末(シャドーIT)からの不正アクセスを遮断できます。
状態に応じた動的なアクセス制限(条件付きアクセス)
UEMが「OSが古い」「必須のセキュリティソフトが止まっている」といったポリシー違反を検知した場合、その端末状態の情報をSeciossLinkに共有します。SeciossLinkは即座に該当ユーザーのクラウドアカウントへのログインをブロックし、マルウェア感染などの二次被害を未然に防ぎます。
パスワードレス認証による従業員の利便性向上
UEMが配布した証明書とSeciossLinkのシングルサインオン(SSO)を組み合わせることで、従業員は都度パスワードを入力することなく、安全かつシームレスに各種業務アプリへログインできるようになります。これにより、パスワード忘れによる情シスへの問い合わせ対応(ヘルプデスク業務)も大幅に削減されます。
まとめ:UEMとIDaaSの連携でセキュアなIT基盤を実現しよう
UEMは単なる管理の効率化ツールではなく、複雑化するIT環境において企業のセキュリティを守り、従業員の生産性を引き出すための「戦略的なIT基盤」です。
デバイス管理にかかる工数を削減し、全社で統一された高水準なセキュリティを適用することで、情報システム担当者はルーティンワークから解放され、企業の成長に貢献する戦略的な業務へシフトすることができます。
まずは自社のデバイス管理における現状の課題を洗い出し、セキュアで効率的な環境構築に向けた一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
【セキュアなアクセス環境とパスワードレスを実現しませんか?】
セシオスが提供するIDaaS「SeciossLink」は、主要なUEM製品とスムーズに連携し、クライアント証明書を用いた強固なデバイス認証やシングルサインオン(SSO)を簡単に実現します。未許可端末からのアクセスを防ぎ、利便性とセキュリティを両立させる具体的な仕組みについては、以下の資料ダウンロード、またはお問い合わせよりご確認ください。
