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ID管理とは?情シス担当者が知るべき基本とIDaaS導入の進め方

作成者: セシオスブログ編集部|Feb 6, 2026 6:16:19 AM

 

ID管理は単なるアカウントの運用という枠を超え、企業活動に影響を与える重要な経営課題となっています。クラウドサービスの急速な普及や巧妙化するサイバー攻撃の脅威に直面し、情報システム担当の皆様は日々増大する運用負荷とセキュリティリスクの板挟みになっているのではないでしょうか。


この記事では、ID管理の基本的な知識から、重要性が高まっている背景、そして企業が抱えるID管理の課題を解説します。さらに、それらの課題を解決する「IDaaS」の具体的な機能やメリット、そして実際に導入する際の指針となる「失敗しない5つのステップ」を紹介していきます。

 

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 目次

 - ID管理とは?押さえておきたい基礎知識

 - 企業が抱えるID管理の課題

 - ID管理の課題を解決する「IDaaS」

 - IDaaS導入の進め方:失敗しない5つのステップ

 - まとめ:IDaaSを用いた適切なID管理で、安全で効率的なクラウド利用を実現しましょう

 

 

 

 

ID管理とは、企業などの組織で利用するシステムやクラウドサービスのユーザーID(アカウント)を管理することです。IDを適切に管理するためには、従業員の入社時のID発行、部署異動時の情報更新、退職時の削除など、人事情報に基づく各種作業を迅速に漏れなく行う必要があります。このようなIDの発行から削除までの一連の流れをIDのライフサイクルとも呼びます。

 

ID管理は煩雑で手間がかかる印象がありますが、運用方法を工夫することで効率化・省人化を図ることも可能です。適切なID管理は組織のセキュリティを維持する上で不可欠であり、セキュリティと業務効率の両立が求められています。

現代のビジネス環境は、従来の手作業によるIDの運用では対応しきれない新たな課題が生まれ、ID管理の重要性が高まっています。

 

クラウドサービスの管理者にとって、手作業によるID管理は多大な負荷を生む業務です。従業員の入退社や異動に伴うアカウント作成・変更・削除などをサービスごとに行う必要があり、時間と手間を要してミスを誘発する要因にもなります。こうした作業に追われることで、情報システム部門は本来注力すべき業務に時間を割くことが難しくなっています。

ID管理が不十分な状態が続くと、企業のセキュリティレベルが低下しリスクが増大します。例えば、退職者のアカウントが無効化されずに残存したり、異動後も不要なアクセス権限が放置されていると、不正アクセスの大きな原因となります。情報漏洩などの重大なインシデントが発生すれば、企業の信用失墜や多額の損害賠償、ひいては事業継続の危機に直結します。

 

クラウドサービスの利用は従業員の業務効率化に繋がる一方、利用するサービスが増えるたびに覚えなければならないIDとパスワードも増加し、大きな負担となります。さらに、パスワード忘れによるヘルプデスクへの問い合わせが頻発することで、従業員の業務が滞るだけでなく、パスワードの再発行に追われる情報システム部門もコア業務に集中できなくなり、企業全体の生産性低下に繋がります。

 

 

ID管理の課題を解決する鍵となるのが、「ID管理システム」です。とりわけ、ID管理機能を持つクラウドサービス「IDaaS(Identity as a Service)」は注目を集めています。IDaaSは、複数のクラウドサービスに散在するID情報を集約し、ライフサイクルの自動化で業務の効率化とセキュリティの強化を同時に実現できます。


しかし、IDaaSは「導入すれば全ての課題が解決する魔法の杖」ではありません。抱えている課題に対してIDaaSで何ができるのかを理解した上で、適切なステップを踏んで導入を進めることが重要です。

認証に関連した解説ブログ

 「シングルサインオン(SSO)とは?初心者にもわかりやすく解説」

 「多要素認証はなぜ必要?パスワード認証のリスクと対策」

 

 

IDaaS導入の最初のステップは、現在の自社の状況を正確に把握することです。まずは、社内で利用している全てのクラウドサービスやシステムを洗い出し、一覧化しましょう。


次に、従業員の入社から異動、退職に至るまでのID発行・管理フローを詳細に図式化します。例えば、入社時に人事部門からの情報を受けて、情報システム部門が手作業で各システムのアカウントを作成している、といった具体的なプロセスを明確にします。このフローの中で、どの作業にどれくらいの工数がかかっているのか、手作業によるミスが発生しやすい箇所はどこか、といった課題を特定していきます。

現状把握によって見えてきた課題を解決するために、IDaaSを導入する目的と、達成すべき具体的な要件を設定します。「IDのライフサイクル管理を自動化する」「クラウドサービスにアクセスできる状況を限定させたい」など、課題をどのように解決したいのか明確にしましょう。


次に、導入目的を達成するために必要なIDaaSの機能を洗い出し、要件定義をします。以下は要件の一例ですが、IDaaSでどんなことをしたいかを整理し、求める機能を具体的に書き出しましょう。

 

具体的な要件の例

機能 要件
ID管理 Active DirectoryやMicrosoft Entra IDと連携できること
 利用中のクラウドサービスにID情報を同期できること
(プロビジョニングできること)
認証とアクセス制御  利用中のクラウドサービスとSSO連携できること
社内外・部署などで異なる認証・アクセス制御が設定できること
 - 社内ネットワークならID/パスワードでログインする
 - 社外ネットワークならよりセキュリティの高い方法(多要素認証)でログインする
 - 会社の支給端末からのみログインする

 

\ 要件定義の詳細はこちらを確認 /
 ブログ「IDaaS導入を成功させるコツとは?トライアル前に必要な事前準備」

 

明確な導入目的と要件が設定できたら、IDaaSを選定する段階に進みます。複数のベンダーから情報収集を行い、自社のニーズに合致する製品を選定します。

 

 

IDaaS選定における比較ポイントの例

比較ポイント 確認事項
① 既存システムとの連携性 Active Directoryとの連携、人事システムからのCSVインポート可否など
② 必要な機能の充足度 利用中のクラウドサービスとのプロビジョニング・SSO連携可否、認証・アクセス制御の柔軟性など
③ セキュリティ要件への対応 企業のセキュリティポリシーや業界規制への準拠、監査ログ機能の有無など
④ 導入・運用コスト 初期費用、月額費用など
⑤ ベンダーのサポート体制 導入支援、日本語サポートの有無など

 

IDaaSを選定したら、導入計画を策定し、「PoC(Proof of Concept:概念実証)」の実施に進みます。PoCでは、選定したIDaaSが自社の環境で実際に機能するか、導入目的や要件を達成可能かを検証します。例えば、プロビジョニングやSSO連携がスムーズに行えるか、従業員が問題なく利用できるかなどを確認しましょう。

PoCのあとは、いよいよ全社的な本格導入へと進みます。この段階で重要なのは、IDaaSを導入して終わりではなく、新しいID管理の運用フローを確立し、社内に定着させることです。具体的には、新しいIDaaSに合わせた運用マニュアルの作成、従業員への利用方法の周知と教育、ヘルプデスク体制の整備などの運用体制をしっかりと構築することが必要です。

 

IDaaSは、単に導入すればすべてが解決するツールではなく、現状の把握と明確な要件定義、そして適切なシステム選定が必要となります。情報システム部門の皆様にとって、この記事が自社のID管理をより安全で効率的なものへと変革するための一助となれば幸いです。


セシオスが提供するIDaaS「SeciossLink」は、今回解説したID管理に加え、SSOやアクセス制御、ゼロトラスト製品と連携したセキュリティ強化も可能です。また、セシオスならID管理機能を持つオンプレミスのソフトウェア製品も提供しておりますので、IDaaSでは実装が難しい組織独自の要件がある場合にも最適な提案が可能です。ID管理に関するお悩みや実現したいことがございましたら、まずはセシオスにご相談ください。