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食糧・農業問題にアプリでアプローチ!「Plantix」とは?

2017/12/06

ドイツ発、一歩も二歩も進んだアプリ

2017年3月、ドイツ・ハノーバーで開催された「CeBIT」において、開発したスマートフォンアプリが評価され、イノベーションアワードを受賞した企業がありました。その名はPEAT社で、設立は2015年という、非常に若い企業です。

受賞にあたり評価されたアプリが、「Plantix」です。農業者やガーデニング愛好家が撮影した植物の画像を分析、害虫やウイルスによる被害の有無、さらにはその原因までを診断してくれるというものです。使用方法も、得られるアウトプットも、実にシンプルです。

実は、植物を撮影し、そこから何らかの情報を引き出すアプリは、存在していました。日本でも、名前がわからない花の写真を基に、その名前を教えてくれる「教えて!カメラ」というアプリが、2016年にリリースされています。

そこからさらに踏み込んだのが、この「Plantix」です。植物とスマートフォン、人工知能(AI)とクラウド。身近なものから、最新の高度な技術までが融合することで、実現できたもの、実現できるものとは、一体何なのでしょうか。

スマートフォン経由で融合した、農業とAI

作物の手入れをしているとき、異常なのか、許容範囲内の逸脱なのか。異常である可能性は高そうだが、原因がわからない。あまり知られていませんが、異常がなくても、想定通りの形状にならないことは、植物には思いの外多いのです。

もちろん、異変を発見したとき、文献など手持ちの資料で調べる、より経験の多い人の意見を求めるといった解決策もあります。ただし、それとて、得られる知見は限られます。適切な対処法を、得られない可能性も残ります。

いっぽう、スマートフォンで直結した先にある「Plantix」からは、迅速な回答を得ることができます。「病気かもしれない」植物の写真をアップロードすると、短い時間のうちに、PEAT社が独自に開発したアルゴリズムを基にした優秀なナレッジベースが、答えを返してきます。

2017年12月現在、答えが得られる植物病害虫および病気の種類は、240を超えています。2017年9月に発表された記事では、180種類以上となっていますので、短期間のうちに1.3倍に増えています。

また、「Plantix」で用いられる言葉は、学術的なものではありません。ユーザーである農業者が、各国・各地で用いる言葉を使うことで、わかりやすさを実現していることは、特筆すべきでしょう。

早期診断と対処で、実現できることとは?

人間において、病気の早期発見の重要性は、度々耳にされていることと思います。早期に治療を開始すれば、身体への負担も、経済的な負担も小さくできるからです。

「Plantix」では、植物のそれを可能にします。植物の世界でも、病気および病害虫を早期に発見できれば、駆除作業、あるいは薬剤の散布量などを、最小限に抑えることができます。

このことからまず、残留農薬のリスクを減らせることに気づくでしょう。また、国連食糧農業機関(FAO)は、世界の食糧生産のうち、少なくとも20%が、植物の病気あるいは病害虫で失われていると推測しています。結果的に、食料生産力の向上も期待できそうです。

食卓の安全性確保と、食糧問題の解決。ミクロとマクロに思えるかも知れませんが、いずれも実に、意義の大きな可能性です。「Plantix」には、このような側面があることも、知っておきたいところです。

グローバル展開は、緒についたばかり

「Plantix」には、病害虫とその対処法を収載したライブラリが備わっています。それだけではなく、専門家への質問の機会も用意されていますし、ローカルあるいはグローバルと、範囲を分けて、ユーザー相互間で意見交換ができる、SNS機能も持ちます。

ユーザーは、ヨーロッパ域内にとどまってはいません。北アフリカのチュニジア、南アジア地域ではインドあるいはバングラディシュなどへも、広がりを見せています。

残念ながら、現状では、日本語へのローカライズは行われていないようです。英語の使用が前提となりますので、やや敷居が高いと感じるかも知れませんが、母語話者レベルの高い語学力は、必要ありません。臆せず、積極的に利用したいところです。

「Plantix」に写真を登録することで、植物病害虫のナレッジベースは、より強化されます。人口が稠密で、農業のスタイルにも特色がある東アジア地域のデータが数多く登録されることで、「Plantix」は、その有用性を飛躍的に高めることとなるでしょう。

(画像は「Pixabay」より)

▼外部リンク

Plantix HP(英語) PEAT GMBH
https://plantix.net/ja

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