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ディープラーニングで、人工知能は私たちに何をもたらすか?

2017/12/18

日本の人工知能(AI:Artificial Intelligence)の現状

全世界における各種インターネットサービスやIoTによるビッグデータの増大は、AIの性能を飛躍的に向上させ、産業や社会への活用可能性を高めています。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、「AI白書2017」(2017年7月)のなかで、国内外の「AIの取組状況に関するアンケート調査結果」を発表しました。

(画像は、IPA「AI白書2017」より)

AIについて全社的に取り組んでいる企業の割合は、米国58.9%、ドイツ37.3%、英国30.2%、日本26.8%で、検討課題としていない割合は、米国12.5%、ドイツ25.7%、英国32.8%、日本45.1%と、日本の立ち遅れが明らかになりました。

現実社会へのAIの実装が進む中、日本では、少子高齢化、インフラの老朽化、災害、生活環境等の諸課題に対し、人工知能を活用する政策が緒に就いたばかりです。

AlphaGo Zeroの驚異!

人工知能(AI)が人々の耳目を集めたのは、米国Google傘下のAI企業DeepMindが開発したAI囲碁プログラム「AlphaGo」が、2015年10月ヨーロッパチャンピオンに5戦5勝、とコンピュータプログラムがプロ棋士に初めて勝った、ことではないでしょうか。

(画像は、写真ACより)

ハードウエア構成は、グーグル・クラウド・プラットホームを活用した、CPUサーバ1,202台、GPUサーバ176台と大掛かりなものでした。ソフトウエアは、深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network)を高度なツリー検索(Advanced Tree Search)と組み合わせたものです。

AlphaGoは、2017年5月には、囲碁世界レーティング1位のプロ棋士に3戦全勝、と完勝しました。

AlphaGoは、その後も進化を続け、2017年10月に公表されたAlphaGo Zeroは、囲碁のルール以外何も知らないニューラルネットワークから始めます。ニューラルネットワークと強力な検索アルゴリズムを組み合わせ、ゲームを繰り返し行い、AlphaGo Zero自身が教師になって新しい形の強化学習を行います。

(出典:DeepMindのHP、「AlphaGo Zero: Learning from scratch」)

AlphaGo Zeroは、自己啓発トレーニングを3日間行っただけで、AlphaGoに100戦全勝しました。ハードウエアは、Google社が開発したディープラーニング(深層学習)専用プロセッサTPU(Tensor Processing Unit)を4台使用したにすぎません。

AIのディープラーニングの成果は、ゲームに留まらず、人類が直面するさまざまな諸問題の解決に有効である、と期待させてくれます。

AI分野においては、ここ数年ディープラーニングが大きな話題です。

ディープラーニング(深層学習)の概要

(出典:An MIT Press book、Deep LearningのFigure1.4を加工)

ディープラーニングは、AIの機械学習の要素技術です。

脳内のある神経細胞から次の神経細胞への情報伝達をモデル化したニューラルネットワークを形成し、情報の入力と出力の中間で特徴を抽出する中間層を多層化することで、ディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)を構築し、自動的に特徴を抽出します。

DNNアルゴリズムの発展形には、主に畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)と再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)があります。

CNNは、フィルタ内領域の情報を畳み込んたConvolutiona層を活性化関数でつなぎ、フィルタの数だけニューラルネットワークを形成します。畳み込みにより、領域の特徴抽出が可能、移動や変形があっても抽出可能、端領域の特徴抽出もできます。

DNNを2次元データに対応させたもので、画像認識には広く利用され、Facebookのタグ付け顔検出、Googleの写真検索や音声認識、に使用されています。

RNNは、文章、音声、動画のような前後のデータに相関のある、時系列で可変長のデータを扱えるようにするため、中間層に再帰的な構造をもたせたニューラルネットワークを形成します。

Googleの機械翻訳、メールのスパム判定、誤字脱字の検知などの自然言語処理、音声認識、動画認識、株価予測や需要予測、に利用されています。

ディープラーニングによる推論や学習には、大量の計算処理が必要なため、適切なアルゴリズムを選択する必要があります。

ディープラーニングを用いたAIは、AlphaGo Zeroのような超人的な能力を持ったロボットの出現など、人間の知能を超えるのではないかと予想する向きもあります。

しかし、ディープラーニングには、複雑なモデルの過学習の問題、未知の状況への対応低下、得られた結果が不十分な場合の原因究明が困難、少量データに対する適応の困難、などが指摘されています。

現時点で、人間と同様の知能をもつAIは存在しません。AIやディープラーニングは、人間がアルゴリズムを考え、動作させています。AIによる新たな知見や発見は、さらに人間の好奇心や能力の向上に寄与することになるでしょう。

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