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スマートフォンで有名なブラックベリーが世界有数の車載ソフトウエアベンダーへ!

2018/01/24

ブラックベリー(BlackBerry)とは?

「ブラックベリー」とは何でしょうか?

(画像はPixabayより)

多くの人は、物理的なキーボードを搭載したスマートフォンを思い浮かべるのかも知れません。

スマートフォンのブラックベリーは、カナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)社が1996年から発売開始した携帯情報端末のことで、欧米のビジネスマンを中心に普及し、2010年にはノキアに次ぐ世界第2位のシェアを占めました。

しかし、2013年7月社名をブランド名と同じブラックベリー社(BlackBerry Limited)に変更しましたが、iPhoneやAndroidが台頭したため、シェアは激減しました。

ブラックベリー社は、2013年独自の「ブラックベリーOS」の開発を断念してAndroidを採用し、2016年9月にはハードウェアの開発・製造からも撤退しました。現在流通しているスマートフォンのブラックベリーは、他社開発の製品です。

また、ブラックベリー社は、RIM社時代の2010年4月、組み込み向けソフトウェア開発会社のQNX Software Systems社を買収し、子会社化しました。

現在では、安全性の高い組み込み向けソフトウエア技術を開発・発展させ、自動車の車載システム、産業システム、鉄道、医療機器、軍事、など多様な分野で事業展開を行っています。

今回は、自動車分野における「BlackBerry QNX」を紹介します。

高い安全性と信頼性を誇るBlackBerry QNX OS

(画像はBlackBerry社のHP「Automotive」より)

2015年1月QNX Software Systems社は、同社のソフトウエアを導入した車載インフォテイメント(IVI:In-Vehicle Infotainment)およびテレマティクス(Telematics)システムを採用した自動車が世界中で5,000万台を超えた、と発表しました。

ブラックベリー社は、最早スマートフォンのベンダーではなく、BlackBerry QNXとしてセキュアなソフトウエアのプラットフォームやソリューションを提供するサプライヤーなのです。

BlackBerry QNXは、車載分野の組み込みソフトウェアのOSとして、QNX OS for Safetyを提供しています。

QNX OS for Safetyは、アプリケーションレベルで空間的・時間的に複数の領域を分離できるマイクロカーネルアーキテクチュアを持つQNX Neutrino RTOS(Realtime Operating System)に基づくOSです。このため、システム開発において、安全な領域と安全でない領域の干渉を避けることができます。

国際電気標準会議(IEC)の安全水準度(SIL)3の安全規格IEC61508(SIL3)、および自動車安全水準度(ASIL)Dの車載電子システム向け機能安全規格ISO26262(ASILD)に準拠しており、高信頼性プラットフォームとアプリケーション開発ツールを提供します。

また、32・64ビットのARM、x86のアーキテクチャをサポートしており、QNX Neutrino RTOSのすべてのAPIを使用することができます。

自動車メーカやティア1(Tier1:1次請けメーカー)は、費用対効果に優れ安全性の高い方法で、競争力のあるミッションクリティカルなシステムを構築できます。

BlackBerry QNXが提供する主なプラットフォーム

1.QNX Platform for Instrument Clusters

車載計器類をOpenGLベースのグラフィックスフレームワーク上に構築されて、計器のユーザーインターフェイス作成を支援し、新しいフルデジタル計器類を開発する手助けを行います。

自動車メーカは、市場投入までの期限内に、すばらしいビジュアルのデジタル計測器を作ることができる、といいます。

2.QNX Platform for Advanced driver assistance systems

先進運転支援システム(ADAS)のプラットフォームでは、視覚処理とニューラルネットベースの深層学習アルゴリズムを内包したハードウエアを利用するソフトウエアが使用されます。

カメラ、IMU、GPS、LiDAR、レーダーなどセンサーからのデータをリアルタイムに処理し、車両を制御することで、安全でセキュアな自動運転を支援します。

3.QNX CAR Platform for Infotainment

安全で信頼性のあるQNX OSを用いて、ハンズフリーで、メディア、ウェブブラウザー、会話の統合、Apple CarPlayやAndroid自動プラグインとスマートフォンの接続、無線を使ったソフトウェアの更新、Bluetoothと音響効果を処理するため、一連のミドルウェアを安全に結合します。

自動車メーカとティア1は、開発リスクの低減、開発期間を数年から数か月に短縮してコストを削減できる、といいます。

4.QNX Acoustics Middleware

QNXの音響ミドルウエア製品とツールは、組込みシステムに対して音声や音響の品質を改善するものです。

ブラックベリー社は、2017年11月日本で事業戦略説明会を開催し、「2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本の顧客やパートナーと連携して安全とセキュリティを実現するエコシステムの構築、完全自動運転の実現に努力する」、と発表しました。

また、2018年1月上旬の「CES 2018」に出展し、中国の大手ソフトウェアベンダBaidu(バイドゥ)とコネクテッドカーや自動運転技術開発で提携する、と発表し大きな話題になりました。

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