2018/01/24
ICカードを使用した自動改札機の導入によって、駅の利便性は向上し、快適なものになりました。
自動改札機は、もはや大都市だけのものではありません。地方都市圏においても普及が進み、自動改札機が設置された光景を目にする機会が増えています。
最近では、遅延証明書を自動発行するタイプも出ています。これまで、遅延証明書は手作業で発行、配布されていたため、遅延証明書をもらうために並び、さらに学校や会社に遅れてしまったという経験がある人は少なくないと思います。
ICカード専用自動改札機から自動的に発行されることで、遅延時のストレスが緩和されそうですね。
さらに、自動改札機の進化は加速し、ゲートのない自動改札機が現実のものになりつつあります。ゲートもない、タッチもいらない改札機の導入で、どのような快適な世界が実現できるのでしょうか。
2025年以降の実用化が期待される、三菱電機「将来の駅・車両の円滑で快適な交通システム」を見ていきましょう。
荷物が多いときや、車いすやベビーカーで改札機を通過しようとしたときに、ゲートに引っかかってしまったり、通りにくいと感じたことはありませんか。
三菱電機が提案する新しい自動改札機には、ゲートがありません。改札システムはフラットで、ゲートの代わりに、床に進行方向を案内するLEDライトが光ります。圧迫感がなく歩くことができるため、誰もが快適に移動できるのが特長です。
有効なICカードをもっている場合には、床が青く光ります。通行できない場合には、LEDライトが赤色に変化し、通行可否は一目瞭然です。ICカードをバッグから取り出す手間や、タッチをする必要性もなくなり、ストレスフリーに改札機を通過することができるようになるでしょう。
三菱電機では、ICカードをタッチしない自動改札機における通信方式は、現状では非公開としています。通信感度に課題があるため、実用化までの改善が期待されます。
三菱電機の「将来の駅・車両の円滑で快適な交通システム」は、ゲートがないだけではありません。利用者の位置を追跡できる機能が搭載されているため、駅構内や車両の中に死角がなくなります。
車いす利用者が改札機を通過した場合を想定して、その利便性をチェックしていきます。
改札機にカメラを設置し、画像認識することによって、車いす利用者の通過が駅員に知らされます。駅員は、支援が必要な利用者の顔写真をタブレットで確認することができ、情報は、駅員同士でも共有することも可能です。
車いす利用者にとって、段差や、車両とホームの隙間、道幅の狭さなどは、大きな障害となります。三菱電機が提案する新しい交通システムが導入されることによって、支援を必要としている利用者が把握しやすくなり、介助活動やサポートをより円滑にできるようになるでしょう。
駅員は業務の効率化や顧客満足度の向上を目指すことができ、利用者にとっても、事業者にとっても、Win-Winのシステムだと言えます。
この追跡システムは、不正通過をした人など、悪質な利用者の位置情報を把握するうえでも役立ちます。IoT技術が最大限に活かされた、システムになりそうです。
三菱電機では、ICカードの情報を活用し、電車での移動や駅で過ごす時間を、より快適にすることを目指しています。
具体的には、利用者の降車駅から算出する目覚まし機能や、乗車時間に応じた動画の自動抽出機能などです。これらのサービスは遅延時間を考慮し、降車駅への到着時間や、乗車時間を算出し直すことも可能です。
利用者が、遅延状況や車内販売用カートの位置情報を把握しやすくなることも目指します。
見える化や、ニーズに合わせたサービスの提案により、利用者の満足度向上を目指すことができるようになるでしょう。
三菱電機が提案する「将来の駅・車両の円滑で快適な交通システム」は、鉄道に着目した交通システムです。このシステムの実現によって、鉄道は、より便利に、より快適に、より多様性をもたせることができるようになるでしょう。
ゲートのない改札機は、オフィスや空港などへの導入も期待されます。
今や、ITは、電気、水道、ガスなどと並ぶ、重要な生活インフラです。セキュリティや安全面での対策が十分のなされたうえで、「将来の駅・車両の円滑で快適な交通システム」が、実現化されるのを待ちましょう。
(画像はプレスリリースより)